3月31日に東京で日本ログハウス協会の技術講習会がありました。
今回の内容はとても興味深いものばかりでした。
その中でいくつかご紹介しましょう。
(1)温熱環境研究について
ログハウスと一般木造住宅(在来工法)の室温変化の比較。
エナジープラスと言われるソフトでのシュミレーションです。
ログ材の厚みを240mm、120mmで外部を全て覆った場合
実際には天井(垂木)などをログ材で覆うことは不可能なので
あくまでもシュミレーションです。もう一つは一般住宅で
石膏ボード12mmで覆った場合の3パターン。
右が月軸、上が時間軸です。左からログ240mm、120mm、在来です。
赤い部分が高温、青い部分が低温を示しています。
ご覧の通り右の在来の温度変化に比べて、ログは温度変化が小さいのがわかりますよね。
次に
(2)次に環境建築研究家の岡田 好勝様の
室内の温湿度管理とエネルギー消費の削減と題した講演。
こちらも大変興味深い内容で、今までの常識を覆す内容でした。
何よりデータ取りが半端無く綿密で多く、また実際に実証していると言う点では
今後の施工に生かしたい思いました。
一度聴いただけではまだ理解できないの点もあったのでチャンスがあったら
再度聴きたいと思います。
建築基準法の法改正により2020年より現行の省エネ基準にしたがった施工が義務付けされます。
この基準は概ね在来工法を基準とした主に断熱と気密が主軸となら、その基準に合わせると
一部の地域ででは今のログ材のサイズでは適合不可となってしまいます。
ログ材はご存知の通り木材で、一般の断熱材に比べると断熱性能は劣ります。
したがってログ材を厚く(太く)せざるを得ないと言う壁にぶつかります。
今でこそ数少ないログハウスが今後建てれなくなるかもしれないと言う大きな問題もございます。
しかし、木には高い蓄熱効果や、ログハウス特有の構造が高い耐震効果がある事や
人体への優しさ、国内材の利用価値など大きな大きなメリットもございます。
近づく2020年問題に間に合うよう協会全体で協力と努力が必要です。
(3)そして最後に3.11で実際に被害にあったログハウスの修復をされた
工務店の方の説明。
これは実際に津波による被害を受けた方の建物で、こちらを実際に修復されたそうです。
明日から福島に仮設住宅を視察する予定の私にとってはとても関心があり
福島県内で私の予定ルートからもあまり遠く無いため、時間があれば実際に
拝見したいと思いました。(実際に見てきました)
このようにログハウス協会では年に数回技術講習会を開催しています。